Spain Guitar Online Shop 店長ブログ

アンダルシアンギター日本総代理店。スペイン製フラメンコギターをはじめコンテンポラリーなガットギターを豊富に選べるお店です。 Knoblockギター弦、角南ギター、エルマノス・カンプス、ファン・モンテス、サンチェス・ロペス 取扱店。遠方の方にも安心のオンラインでお届けします!お近くの方はご予約にて試奏対応しております。

残りの人生の過ごし方

早いもので当ショップを開設してから12年、
アンダルシアンギターを扱ってから10年が経過しました。
リペア、メンテナンスなどは日本一のギター職人、角南裕平氏
全てお任せしておりますが、それ以外は一人で運営してきました。

 

例えば、スペインとの交渉・ギターの買い付け・契約、
ネットのページ作成、運営、事務処理、経理、広告の出稿など
多種多様な作業を完全に一人でやってきました。
ギターについての知識はありましたが、その他もろもろは
ネットの情報や書籍から学び、見よう見まねでこなしてきたつもりです。

 

もうすぐ誕生日を迎えるのですが、結構ないい年になってきまして
会社員ならば定年の尻尾が見えるくらい?かなぁと思います。
最近は、65歳までみたいなのでそれまでは10年はありますが・・・

 

当ショップは年配の利用者さんが多く、20代はほぼおりません。
30代は数名、ほぼ40代以上の方々に利用していただいております。
ナイロン弦ギター、ガットギターに特化した極めてレアなショップですので
エレキギターや鉄弦のアコギのように一般的認知度が高いわけでも
ないので仕方のないことなのかもしれません。

 

常々、世代を超えたすそ野を広げたいとも思っておりますが、
なかなか思うようにいかないのが現実です。

 

ふと、自分が後、どれくらいこのショップを運営していられるのかなぁ
と考える瞬間がありました。というより、
どれくらいまで運営を続けたいのかなぁと考えてみたら、
10年から15年、いや、もっと短いかもしれません。
辞め時は、角南氏が引退したとき、これはほぼ確実です。

 

彼とは性格は真逆ですが、非常に馬が合うのです。
完全な職人とサービス担当者なのですが、
バランスがいい具合に化学反応を起こしている感じで、
お互い心地良いのです。なので、彼がギター製作から身を引いたら
私も辞めるつもりをしております。

 

それとは、別個にアンダルシアンギターとの契約が
切れたときも辞め時かもしれません。
異国の日本人のなんのコネクションもない私を認めて
独占販売契約をしてくれたのですから感謝しかないですし、
アンダルシアンギターが当ショップの代名詞でもあるので
そこでピリオドを打つのも有りかなぁと思います。

 

当ショップとアンダルシアンギターとはほぼ一心同体と
言ってもいいでしょう。
また、アンダルシアンギターも未来永劫続くのかどうかも分かりません。
もちろんエレキギターFenderのように数十年続いてくれたら
これは喜ばしいことですが、日本においては、
ニッチな分野のナイロン弦ギターなのでなかなか難しいのかも
しれません。しかしながらギターの本場、スペイン国内ではまだまだ続くでしょうね。
需要と供給とが日本とはレベルが違います。

 

買え買えと宣伝ばかりのブログなのかもしれませんが(笑)、
たまにはこんな内容も面白いのかもしれませんね。

 

当たり前ですが人生は短いです。あっという間です。
またいつか、また今度と思っているとすぐに1年が経過し、
次第に忘れてしまい、気付いた時にはもう行動する気力も情熱も
失ってしまっていることも少なくありません。

 

90歳を過ぎる認知症の母の介護をしていると
一人で行動することもできなくなり、
もし自分が同じ状態になっていくのであれば、
好きなギターも弾けるのも後、僅かなのだろうなぁ
と思わずにはいられません。

 

そのためには後悔ない毎日を過ごしたいものですね。
といいながら日々、馬鹿なことをしでかしては
後悔の連続なのですが・・・

 

年を重ねるこの時期に少しだけ未来のことを
考えてみました。

 

店長

 

 

 

 

フラメンコ屋だけれど他ジャンルの音楽について語るのが好き(ダリル・ホール編)

7月のイベントの後、コロナに罹ってから体調が戻らずブログ更新が全くできておりませんでした。

これからも不定期となりますが更新していきたいと思います。

 

みなさんの音楽への情熱はどこから来ますか?

店長の場合、いい音楽に出会った時、後、アマチュアで遊んでいるバンドがいい演奏をしたときかなぁ~

(※自分の演奏含めてトータルでいい演奏ができたとき)

 

今回は前者についてお話したいと思います。

最近、自分が10代の頃によく聞いていたミュージシャンの来日が多く

いくつか観賞してきました。

 

ビルボード横浜でクリストファー・クロス

ブルーノート東京でマイク・スターン

そして今回紹介する有明の東京ガーデンシアターでダリル・ホール

 

 

今回のライブは、”Daryl's House”というダリル・ホールとそのバンドメンバーが

毎回ゲストミュージシャンを迎えて演奏を楽しむアメリカのテレビ番組

から派生したライブという企画でした。

 

テレビ番組自体は一旦休止していたのですが最近また復活したようで

新しいコンテンツを楽しむことができます。

 

今回のライブはあのトッド・ラングレンとの共演ということで

興奮しながら行ってまいりました。

 

両者とも75歳を超えているというのがとても信じられないほどの

パワフルで最高のライブでした。

 

席もずっと立っているアリーナ―ではなく

2階のテラス席前方、これほど最高の場所もないというくらい満足できる

場所で、身体は落ち着いて心は浮かれながら楽しむことができました。

 

 

ホール&オーツのヒット曲が演奏されるともう大興奮

アンコールの”Private Eyes”は手拍子で参加できて楽しすぎです。

 

オーディエンスも若い人はほぼおらず、私と同じくらい、

いやもっと上だったと思います。

みなさん青春時代を思い出しているんだろうなぁ~

それぞれご自身のスタイルで楽しんでいる様子

久々に楽しくて、心にグッと刺さるライブを楽しむことができました。

 

ダリルのピアノで聴いた”Sara Smile”最高でしたね。

”I'm In A Philly Mood” これも良かった!

 

一方、前半に登場したトッドはもう最初から最後まで全開で

歌いまくりギター弾きまくりで70年代のアルバムの優男っぽさは

微塵も感じませんでした。

 

へぇーこんな人なんだぁというのが一番の驚き。

 

"I Saw The Light" "Hello It's Me"

のイントロが流れると会場は大興奮。

私も大興奮!!

 

これはレコードで2枚組の名盤アルバムを持っているので

感慨深かったです。プレイヤーを買って聴きたくなりました。

 

アンコールでは2人共演での演奏、トッドの"Can We Still be Friends"

が非常に良かったです。ずっと頭の中でメロディーが鳴っています。

 

 

いつか自分のバンドでダリルの曲を演奏してみたいですね。

リクエストしてみようかなぁ。

 

最新の”Daryl's House”でこれまた10代の頃から大ファンのハワード・ジョーンズ

がゲスト出演!今年は”Daryl's House”から抜け出せそうにないです(;^ω^)

 

ハワード・ジョーンズとダリルの”I'm In A Philly Mood”

 

ハワード・ジョーンズの名曲"No One Is To Blame"をダリルとの共演で。

 

 

ギターを購入するとき

店長の田村です。

 

ギターを購入するとき、一番迷うのはこれがコストに見合うかどうか

というジャッジなのではないでしょうか?

 

ギターの購入ばかりではなく他の何かを購入するときであっても、

これをこの値段で買うのは妥当だ、お得だ、高すぎる

などと人それぞれの判断基準で決定していくプロセスが

あるのだと思います。

 

我々、売り手は、商品をしっかりと説明することで

ユーザーの方のご納得具合いを高めていくというのが

仕事なのでしょう。

 

去年のことなのですが、5弦のベースがどうしても

欲しくて、カタログみたり店舗に行ったり

悩みに悩んで、まあ、そこそこの値段のものを

購入するに至りました。

 

メーカーは大して有名ではなく

生産本数も少なく、他の人なら買わない可能性も?

あるかなぁと思われましたが、

販売部長さんの素晴らしいトーク

スペックの詳細、ルックス、カラーなどから

えいや!と決断をしました。

 

FenderMusicMan、Specter、Exotic など魅力ある

ブランドはありましたが自分はこれが

一番気に入りました。

有名でないところっていうのも大きなポイントです。

※人が持ってないイイものって購買意欲が湧きます。

 

ちょっと前に某有名メーカーのアーティストモデル

エレキギターを購入しましたが、かなりの人が

所有していて絶賛しているのに、私には全く馴染みませんでした。

良さが全く分からず、アーティストは好きであっても

処分してしまったことがあります。

 

吟味も大切ですが、エイや!も大切ですよね。

 

吟味し過ぎると永遠に分からなくなる沼に陥ります。

そういう場合は、直接問い合わせてお話するのが

一番いいと思います。

 

カタログでは分からない、文字では伝えきれないこと

人はそれを生の言葉で表現することができます。

 

 

店長

ナイロン弦ギターをもっと普及させたい!

ナイロン弦ギター認知度、

鉄弦のアコースティックギターに較べ

非常に悪いのが現状です。

 

鉄弦より指も痛くならないし、

ハーモニーも綺麗、

音に感情も入れやすいのですが

どうしても鉄弦ばかりに目がいっているようです。

 

 

人は、その承認欲求から、

周りと同じものを求めやすい傾向は

明らかで、これを上手いこと利用しているのが

ブランディングだと思います。

 

例えば、Fenderは、このところすごい勢いで

あの表参道に旗艦ビルまで

作ってしまうとのこと

5年前では考えられなかったくらい

Fenderの勢いがとんでもないことになっています。

 

経営者が変わったことにより

かなりの広告宣伝費、イメージ作り

そして販売方法もガラリと変えて

小売りだけではなくネットでのダイレクト

販売まで始めています。

 

ここまでイメージが植えつけられると

エレキギターFender

という図式が脳内にインプットされますよね。

 

これに似たようなのが

エレキじゃないギター、

つまりアコースティックギター=鉄弦のアコギ

 

ナイロン弦ギターも立派なアコースティックギターなのですが、

どうしても一般的認知度が低いですよね。。。

 

ナイロン弦ギター=クラシック or フラメンコ

この図式をどうしてもぶっ壊したい

それが私の願いです。

 

ナイロン弦ギター弾きのギターヒーロー

待っていては遅すぎます。

このブログを読んだあなたがその先頭に立って

ナイロン弦ギターをアピールしてください。

 

あの独特な響きの良さを知っているのはあなただと思います。

 

どうか、よろしくお願い致します。

 

 

店長

 

 

ユーチューバーデビュー? そんなわけはないのですが・・・

 前回のブログでSNSについてあーだこーだと言っており、Instagram(インスタグラム)、真面目に取り組む宣言をしつつYoutubeは無理だ宣言もついでにしておりましたが、Youtube動画真剣に作ってしまいました。すみません。

 

 ショップのYoutubeアカウントは所有していたので後は動画を作成アップロードすればいいだけだったので基本的には半日程度で完成してしまいました。

 

 お題は、といいますと『ダブルホールの弦交換の仕方&らせん巻きのやり方』と言うタイトルで、ナイロン弦の弦交換のレクチャービデオになります。

 

 それが、これです!

 

 どうです?それっぽい?合格点もらえるかしら?

 これまでは、スペインからの動画をアップするとか、ギターの試奏動画をそのままざっくり編集してアップするとか、その程度でしたがサムネイルまで作成して音楽まで付けたのは今回が初めてです。

 

 ナイロン弦ギターには、高級モデルになるとダブルホールといって1本の弦に対して穴を2つ設けることで弦交換を非常に楽にできる仕様になっていることが多いのです。

 

 当ショップで販売しておりますアンダルシアンギターも、もちろんダブルホール仕様。そして、1弦~3弦に関してはらせん状に巻きあげることで、オシャレなルックスをしつつ大変外れにくい巻き方をしています。

 

 これまでらせん巻きについての動画、スペインのものが1本だけありましたが、どうも分かりにくかったので自分で作成してみました。どうですかね?分かりますかね?

 

 このらせん巻きについては、HPの記事にも記載しておりますので、文字化したものも併用するとより分かりやすく、実践しやすいのではないでしょうか?

 

spain-guitar.com

 

 ダブルホールのナイロン弦ギターをお持ちの方は、ぜひ試してください。おい!全然分からないよ!というお叱りのメッセージがありましたら時間をみつけてリベンジ動画を作るかもしれません。

 

 

店長

 

 

 

SNSって・・・Instagram(インスタグラム)を充実させる!ことについて

 当ショップでもTwitter,YoutubeなどSNSを活用させていただいておりますが、なかなかうまくユーザーさんに届いていないのが現状です。

 

 ネットショップという形態においてどのSNSが適しているのか、オンラインのみでの楽器屋で何が一番ユーザーさんに届けられるのかとあれこれ試行錯誤をしているところです。

 

 個人的にはフォロワー数の増減はほとんど気にしておらず、新規で覗きに来てくれたり新しく繋がったりすることがとても嬉しかったりします。

 

 Twitterはどうも固定してしまうというのか、、あまり繋がりがもてない感じ。Youtubeはワンオペのショップとしては労力が半端ないので却下、、、そこで浮上してきたのがInstagram(インスタグラム)です。

 

 前からアカウントを持っていたのですがこのところ機能が充実してきており、写真以外でも短い動画をアップロードできるなど、当ショップの商品であるギターをご紹介するのにかなり有効だと気付きました。

 

 ショップのウェブページは一眼レフカメラを使って念入りに撮影をしておりますが、

どうしても雰囲気が伝わらないことがあります。それは、楽器屋で直接触って品定めをするような感覚、それが足りないと常々思っておりました。

 

 オンラインショップということでそこは目をつぶっていたところでもあったのですが、Instagram(インスタグラム)の動画機能を使うと生々しい感じでギターの様子を記録することができたのです。

 

 以下にURLを記します。PCからでもスマホからでもアクセス可能です。

 

www.instagram.com

 

 まだまだ情報が足りていないですが、これからどんどん可能な限りアップしていきますので、どうかアクセスしてみてください。

 アンダルシアンギターをはじめとする当ショップのナイロン弦ギターを

身近に感じてもらえるのではないかと思っております。

 

 

店長

 

安定性の追求という命題へ(アンダルシアンギター解体新書 その4)

【アンダルシアンギター公式日本語サイト】
https://andalusianguitars.jp/

 

 『アンダルシアンギター解体新書 その1~その3』までは、アンダルシアンギターがまず、オーソドックスなフラメンコギターからスタートし、それをベースにしているというお話をしました。

 

spain-guitar-online-shop.hatenablog.com

spain-guitar-online-shop.hatenablog.com

spain-guitar-online-shop.hatenablog.com

588733


 アンダルシアンギターには、オーソドックスなフラメンコギターにはない12の特徴があります。この12の特徴の概略につきましては、アンダルシアンギターについての解説ページに写真入りで紹介しているので、ぜひご覧ください。

spain-guitar.com


 この12の特徴は、その内容によって、以下の【1-1】~【1-4】のカテゴリーに分類することができます。

【1-1】オーソドックスなフラメンコギターの問題点の改善

【1-2】安定性の追求

【1-3】さらなる効果を目指して(付加的要素)

【1-4】究極のデザイン~ボディデザインとネックデザイン~


 『アンダルシアンギター解体新書 その3』では、個別の特徴として、
強烈な個性の塊であるアンダルシアンギターの 《【1-1】オーソドックスなフラメンコギターの問題点の改善》 について説明させていただきました。

 今回は、2つ目の《【1-2】安定性の追求》について解説したいと思います。

 

-------------------

【1-2】安定性の追求

 次に、非常に不安定な要素、例えば、音程や構造の力学的問題など、を抱えたギターという楽器の不安定要素をいかに最小限とするかを検討した4つの提案をここに分類してみました。


5) Maple Fretboard + New Fret Division (Playability & perfect tuning)
メイプルフレットボード + 新しいフレット部分 (演奏性と完璧なチューニング)

 


 アンダルシアンギターでは、エレキギターでは定番といっていいメイプルをフレットボード(指板)に使用しています。これにより強度を確かなものとしています。

 また、フレットの分割位置を定番の位置よりもより音程が安定する位置にずらしており、従来よりも安定した音程が得られるように改善しています。

 

6) Symmetric Wittner Pegs (Mechanical inside)
対称配置されたウィットナー社製ペグ (機械式ギア内蔵ペグ;チューニングの容易さ、音響特性の向上)


 ヘッドのペグをウィットナー社製の機械式ギア内蔵ペグにした場合、アンダルシアンギターでは、6弦と3弦、5弦と2弦、4弦と1弦の長さが対になるような位置に配置しています。通常のマシンヘッドは、6弦と1弦、5弦と2弦、4弦と3弦の長さが対になっています。これにより不安定な3弦の音程が安定する方向へ改善されています。

 対称配置とは、数学的な点対称、線対称、面対称という意味ではなく、6弦~4弦の低音域のグループと3弦~1弦の高音域のグループとが呼応するように一致しているという意味で対称であると称しております。

 

7) Maple Neck = Stability & Resonance
メイプルネック = 安定性と共鳴

 


 メイプルネックは、エレキギターではお馴染みで、強度が極めて高いとともに、
その硬さからアタック、サスティーンを向上させることができます。
 いわゆるナイロン弦ギターではこれまでほとんど使用されてこなかった材料ですが、このような利点がある材料を調査、研究し積極的に採用しております。これによりネックの安定性と共鳴がより向上したものとなっています。

 

 

8) Double Fretboard (Nassberry & Birds Eye Maple)
ダブルフレットボード (ナスベリー & バーズアイメイプル;異種材料の積層構造によるネックの強化)

 

 
 ダブルフレットボードとは、表面の指板の下に異種材料を積層させるヘテロ構造とした指板のことを言います。ヘテロ構造とした異種材料の接合により曲げ方向を相殺することができるため、環境変化などによるネックの動きを低減しネックの強度を高めております。

 

※なお、使用される材については、上述したものに限定されるものではなく
時代性や時期に応じて適宜改良されています。例えば、ネック材メイプルは、
フレイムアッシュが用いられることもあります。
ただし、コンセプトとしては上記の内容から大きくずれることはありません。


【最新のアンダルシアンギター 絶賛販売中!】
・アンダルシアンギター Marcelo Barbero 1948 / Full Size Body

spain-guitar.com

・アンダルシアンギター Marcelo Barbero 1948 / Full Size Body with Wittner Peg

spain-guitar.com

・アンダルシアンギター Marcelo Barbero 1942 / Mountain Ash (Natural Brown)

spain-guitar.com

 

 


店長