Spain Guitar Online Shop 店長ブログ

アンダルシアンギター日本総代理店。スペイン製フラメンコギターをはじめコンテンポラリーなガットギターを豊富に選べるお店です。 Knoblockギター弦、角南ギター、エルマノス・カンプス、ファン・モンテス、サンチェス・ロペス 取扱店。遠方の方にも安心のオンラインでお届けします!お近くの方はご予約にて試奏対応しております。

フラメンコギターにこだわらないこと

 前回のブログ記事でフラメンコギターへの挑戦と書いておきながら、全く違う方向へ舵を切ったタイトルで、なんだ、いい加減な奴だなぁ~と思われてしまいますが、店長が考えていることを記したいと思います。

 

 フラメンコギターは、難しい、本当にとことん難しい。

 

 スペイン人が弾いているアマチュアのフラメンコギタリストをYoutubeで見ることがありますが、日本のプロと比較してもアマチュアの方が断然フラメンコの音だと分かるし、レベルがまるで違う。リズムがまるで違う。踊りの方もそうです。そう感じてしまうのです。

 

 これは、洋楽、いわゆるアメリカのロック、R&B、ソウル、ファンクなどブラックミューッジク由来の音楽を聴いても同じ現象が起こります。日本人の演奏はなんかリズムがおかしい、ノレない、踊れない、身体が動かない・・・

 

 多分、おそらくなのですが、津軽三味線を例えば欧米人が演奏したとしても同じようなことがあるように思えます。これについては実際のものを聴いていないので推測になってしまうのですが、想像できてしまいます。

 

 時代が進んでこのリズム問題が解決することがあれば、どなたかがこれを解明してくれたのなら、もっとスペイン人の弾くフラメンコに近づくことができるのかもしれません。リズムは、曲種のアクセントの位置が正しいだけではなく、その重心がどこにかかっているか解明、体現できてないから発生するように思います。

 

 なので、今、現在生きてる人がフラメンコをやりたければ、サラっと聞き流すではなく徹底的にフラメンコに傾聴して聴きまくって少しでも近付けるように奮闘努力しないといけないのではないでしょうか。

 

 ただ、それだとあまりにも楽しくないので、フラメンコギターにこだわらずに別の道をナイロン弦ギターで追い求めてもいいのではないでしょうか。フラメンコフレーバーくらいはスケールを弾くだけでそれっぽくなることはあるので。

 

 楽しむことは、イージーなこととはイコールではないのですが、余暇や趣味としてナイロン弦ギターを楽しむことにはいろんなアプローチがあっていいと思います。人生は短し、できること、今スタートできることから、とっと始めてしまうのがいいように思います。

 

 

店長

フラメンコギターへの挑戦(独学編)

 はじめに、ここではフラメンコギターにどうやって組していったらいいのかということを、素人の店長があくまでもアマチュア目線で語っております。第一線で活躍している方からすれば、冗談じゃない!と思われるかもしれませんが、出来損ないのアマチュアのたわごとなのでどうか広い心でどうかご容赦願いたいと思っております。

 
 挑戦者のターゲットとしては、日本で暮らし、日本を終の棲家と考えている方でフラメンコ愛は誰にも負けない!という自負のある方としております。フラメンコギターはとっても難しいのでやはりイージーにはできないものなのです。(※特に、東京近郊に住んでおらず、フラメンコギターを学ぶ環境に恵まれていない方を念頭に考えて記載しております。)



1.イントロダクション

 ナイロン弦ギターを使った演奏の最高峰、最高難度といえばフラメンコギターかもしれません。もちろんクラシックギターも同様に段階的に技術的レベル、音楽的レベルの高いものも存在します。他には、バーデン・パウエルに代表される非常に技巧的で速いテンポのブラジル音楽なども相当な難易度です。

 ただ、フラメンコギターは最初から難しいのです。例えば、クラシックギターは、難易度は低いが音楽的に優れたエチュードなどがたくさん用意されておりシステマティックに段階的に学習することができます。これに対し、フラメンコギターは、いきなり音楽の根源でもあるリズムが難しいのです。これができなければ、いくらフレーズ(ファルセータ)を学び知識として持っていてもそれらしい音楽にはならないと思います。
 
 音楽の3要素、リズム、メロディ、ハーモニーと言われますが、踊りの絡んだ大衆音楽は1にも2にも3にもリズムだと思います。フラメンコ然り、R&B、ソウル、ファンク、ディスコ、ポップス、アルゼンチンタンゴ、etc.... これを徹底的に鍛錬しないと先に進んでも(新しいことを覚える)全く意味がないように思っております。しかもそれは必ず正しい方向であること。

 もちろん、指、手、腕、身体といった運動機能を高める基礎的なテクニック練習は別途必要だと思います。これはテキストやら教則本などが数多く出ていますのでクラシックギター用のものが特にお薦めだと思います。スコット・テナントの教則本なんか最高だと思います。
 
 
 
 

ただし、一人ではフラメンコギターを学ぶことは困難です。
 


2.どうやってフラメンコギターを学ぶ?

(A) 
一番良いのは、スペインへ何らかの手段で入国し、日本人に教えてくれるかどうかも分からないけれど食らいついてホンマもんのレベルの高いギタリストに無期限で(ビザが許す限り)弟子入りすることだと思います。これをしてる人は日本でも数名じゃないかなぁ~と思います。(一部ここでは書けないような話もある極めてレベルの高い場所です。)まあ、レベルが段違いのギタリストになれることは間違いなしですね。
 
(B) 続いては、
スペインの音楽学校(大小さまざま)みたいなところで教えてくれるフラメンコギターなのかなぁと思います。語学留学しそのビザを使って数か月の滞在でフラメンコギターを習う。極めて安全性も高くおススメできるコースかと思われます。これを1年の間に複数回行けば結構なことが学べると思います。日本人で講師されている方はこういう感じが多いかもしれません。


 さてさて、私の
ようにスペインへ頻繁に留学するお金もままならず、物理的時間をも確保することが難しい一般ユーザーのみなさん。ここからが本題です。(A)案、(B)案も現実的ではない!そんなことできるはずもない!という場合が大多数でしょう。そうしたら、これは日本にいてとことん情報を集めて練習するしかないのです。



3.日本で学べるフラメンコギター

3-1.日本の教則本で習う
 日本人によって執筆され日本の出版社から発行されたフラメンコギター入門的な教則本があります。フラメンコギターについて全く分からない初学者にとって有益な情報を得られたり付属のCDで実際の様子も知ることができます。
 ただここに記載されているようなことは、Youtubeを見ればもっと分かりやすい形態で解説がなされていると思うので、参考までに・・・といったところでしょうか。


3-2.日本人、または日本在住のスペイン人から直接習う
 例えば、スペインの留学経験があり、さらに毎年スペインで数か月間、勉強してきているというような先生が身近にいたら、これはそこへ駈け込んで弟子入りすれば良いと思います。間違いないです。中にはあまりスペインで定期的に学んで来ていない方もいるようなので、その場合は、前者の方を強くおススメします。
 またもっとレアですが日本在住のフラメンコギターを弾けて教えることができるスペイン人がいたら、それは本当にラッキーです。この方からたっぷり習って下さい。


3-3.スペイン製のDVD、教則本で習う
 2000年前後から2015年あたりまで、かなりの数のフラメンコギターのレッスンDVDがスペインで販売されておりました。日本へもほとんどが輸入されており複数枚所有されている方もいらっしゃると思います。なかなか良質なものがある一方、そうでないものもありました。中には日本語字幕もある便利なコンテンツもありましたね。これらを所有しているのであれば、こちらを再度有効活用する手もあります。
 実は、これらのDVDコンテンツは、販売が激減しております。DVDからBlue Rayへとハードウェアが移行しましたが、コンテンツの方はこれに追従しませんでした。コンテンツによってはネット配信のストリーミングとなっているのもあります。こちらの方がDVDを適したフォーマットへ変換することもなく、お手持ちのPC、スマホタブレットなどで視聴することができるので実用的かもしれませんね。


3-4.スペイン人からオンラインで習う
 スペイン語が分かる方、もしくは英語のスピーキングが得意な方は、スペイン人と直接オンラインで授業を受けることができるようです。こちらは、スペイン語の問題があるのでなかなか難しいかと思います。アンダルシアンギターでおなじみのRuben Diazもずいぶん前からSkypeを使ったオンラインレッスンをしております。習いたい方がいらっしゃれば、こちらから彼に繋ぐこともできます。



3-5.インターネット上のコンテンツで習う
 最もおススメなのがこのインターネット上のコンテンツを利用する方法だと思います。DVDでのレッスンが衰退している現状において完全にインタラクティブでなくても、メールなどを使えば準インタラクティブな程度で質問もできるだろうし、無料コンテンツが充実しているWebサイトもあります。なにしろ、有名なトッププロからほぼダイレクトで指導を受けられるのは夢のようでもあります。以下、現時点で店長が知る限りのWebサイトを紹介していきます。


 1).  まず、”ELITE GUITARIST”というWebサイトでは、オンラインでのビデオコンテンツによるレッスンを展開しているようです。https://www.eliteguitaristflamenco.com/
 
 料金は月間、もしくは年間のサブスクリプション契約となっているようです。値は張りますが終身会員もあるようです。ここでは、Advanced Level になるとあのAntonio Reyのレッスンビデオを視聴できるようです。他には、講師としてホセ田中さんなどがエントリーされています。

 2).  続いて、”
online flamenco”というWebサイトでは、同じく月間、年間のサブスク契約にてビデオコンテンツによるレッスンが受講できます。https://onlineflamenco.com/
 
 こちらは、時々、ダウンロードコンテンツとしてレッスンのパッケージを格安で販売していることがあります。InstagramFacebookなどのSNSで時々宣伝をしておりますので、こちらの方が永久に使えてお買い得だと思われます。講師としては、Paco Serrano, Javier Conde, Tino Van Der Sman, Chicuelo, Gabriel Exposito など有名どころを揃えています。

 3).  最後に、最も秀逸なのは、”
Flamenco Explained” というWebサイトです。こちらは、スペイン人ではなくアメリカ人の Kai Narezo と Scott Wolf によって運営されている書籍、Youtube チャンネル、Webサイトからなる複数メディアによるフラメンコギターレッスンコンテンツとなっております。
 
 上記2つの完全なるスペイン人のフラメンコと比較した場合、ややクラシックギター寄りのプレイスタイルであるのが気になるところではありますが、どっちらかというと日本人(つまりスペイン人ではない)が演奏するフラメンコに近いように感じられます。
 
 ただ、系統立てて構築されているコンテンツの数々は、非常に取り組みやすいと思われます。なにしろ、コンテンツの量が圧倒的に違います。しかもフリーコンテンツが盛りだくさんです。

 3)-1.Youtubeチャンネルとしての ”
Flamenco Explained
https://www.youtube.com/@FlamencoExplained/videos
 更新が止まってしまっているので今後の運営が気になるところではありますが、なんといっても蓄積されたコンテンツがたくさんあります。しかもYoutubeなので操作性もよく一番とっつき易いレッスンビデオコンテンツといえるでしょう。

 3)-2.  オリジナルWebサイトとしての”
Flamenco Explained” 
https://flamencoexplained.com/
 こちらは、著者本人にとってはメインコンテンツなのでしょう、圧倒的なビデオの量です。基本的には、月間または年間契約のサブスクとなっております。こちらは未登録のため利用したことがないのですが、年間$199なのでべらぼうに高いわけではないと思います。たしか無料期間もあったように思います。
 
 3)-3.  完全フリーコンテンツとしての”
Flamenco Explained
 さて、このメインコンテンツの中には、
完全フリーのコンテンツ群が存在しております。
 
https://learn.flamencoexplained.com/free
 こちらは、お腹いっぱいなくらい圧倒的です。基本的には各パロ(曲種)のパフォーマンスになっており、とりわけ有料コンテンツでの解説へのイントロダクションとでも言うべき内容となっています。演奏が気に入ったら有料コンテンツを購入してみるのがいいと思います。
 
 また、こちらのフリーのコンテンツ群の中には、書籍版の
Flamenco Explainedに準拠したコンテンツへもアクセスすることができます。



 こちらは一般的な教則本の類で全編英語ですが極めて平易な英語。しかも譜面(TAB譜付き)の方が多いため、英語が苦手な方でも無理なくトライすることができると思います。書籍がなくても、フリーの動画だけでも結構学べると思われるので、ぜひアクセスしてみてください。
 書籍準拠のフリーコンテンツ:
https://learn.flamencoexplained.com/free/season:2



 まとめると、完全スペイン系のWebコンテンツは、これぞ本場スペインのフラメンコギター!とうなずける内容になっておりますが、Webコンテンツの構成やコンテンツの充実度など費用対効果の面で分が悪い感じがします。セール期間があるものもございますので、チャンスが巡ってきたら購入というのもありかと思います。

 一方、Flamenco Explainedの方は、コンテンツの充実度、価格ともに申し分がなく、それなりの成果が出しやすいのではないでしょうか?ただ完全スペイン系と比較すると、どうしてもスペインを基準と考えた場合の外国人がやっている演奏(日本人に近い)になっていると言わざるを得ません。

 両者を併用するといいとこどりも不可能ではないかもしれません。海外ではコロナ禍、そしてコロナ禍より前から音楽系レッスンコンテンツが異常なくらいに発達しております。一流どころのギタリストがビデオコンテンツにてレッスンを展開してくれるものが音楽のジャンルを問わず激増しているので、これは利用しない手はないと思います。そういった意味で、英語の学習というのは、自分自身のためにも今後一層必要になってくると思われます。
 
 
 
店長

渡辺香津美 × 沖仁 I’M A SHOW ~アンダルシアンギターレポート~

2023年3月4(日) 有楽町に新設された劇場 I’MA SHOW にて

渡辺香津美さんと沖仁さんによるギターデュオでのライブが開催されました。

 

香津美さんからメールでアンダルシアンギターを使用予定ですとの

ご連絡をいただき早速チケットを購入して行ってまいりました。

 

 

この劇場I’MA SHOW、どこにあるのかと言うと

有楽町のほぼ駅前、

昔で言うところの有楽町マリオンの別館にある映画館

そこの1つを居抜きで利用しており、非常に便利な場所にあります。

多分、映画館時代、何度か入ったことがあると思います。

 

 

会場は、マリオン別館の7階にあり、16時の開場時間にならないと

エレベーターが作動しない(ボタンを押しても反応しない)仕組みになっておりました。

事前購入したチケット代の他に別途ドリンク代600円がかかります。

購入したドリンクは席に持ち込み可です。

客席は約400席程度、椅子の感じとしては、

当時としては新しかったのでしょうが、

今となっては狭いなぁと感じるかもしれない映画館のシートです。

映画館時代のをそのままの状態で使用しているようです。

ドリンクホルダーはあります。

 

今のシネコンの座席はホント快適なくらい広いですからね・・・

 

もちろん、私は生ビールをオーダーしたので

開演までちびちび飲んでおりました(;'∀')

 

 

開演前に時間がだいぶあったのでステージの様子を撮影して参りました。

 

 

ステージ向かって右側が沖さん、左側が香津美さんです。

 

 

香津美さんがこのデュオでエレキも使うのは予想外でした。

TwoRockのアンプに多分、LINE6のマルチエフェクターのように思われます。

アンプシミュレーターが搭載されていない完全なマルチエフェクター

モデルだと思われます。

後ろの12弦のオベーションがめちゃくちゃ気になります。

 

 

そして、当ショップから香津美さんにご購入頂きました

赤いシングルカッタウェイのアンダルシアンギター。

一番左側におりました!

我が子を見るようで、いつもドキドキしてしまいます。

 

17時ピッタリに公演がスタート。

ライブの詳細につきましては他の方のブログやInstagramにお任せして

私は、アンダルシアンギターについてレポートしたいと思います。

 

なんと言っても驚いたのが、

私の敬愛するパット・メセニーの曲

アルバム、シークレットストーリに収録されている

”Antonia”をアンダルシアンギターで演奏していただけたことです。

 

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まだできたばかりのアンダルシアンギター

非常に若く張りのあるサウンドで非常に明瞭

一点の曇りもないクリア―なサウンド

そのように感じました。

そして一番聞きたかったカルロスピックアップとの

組み合わせ、これがまたメセニーの曲に合うこと!

 

前回使用していただいたのが代々木体育館というアリーナ仕様の

会場での大バンド編成でした。

そのためハウリングの影響からピエゾのみで

内部のコンデンサーマイクは音量ゼロの状態。

ダブルマイク仕様のカルロスピックアップとしては半分の力しか

発揮できていませんでした。

 

これに対して、今回のライブでは、

コンデンサーマイクの音もブレンドされていたと思われ、

非常にナチュラルなエアー感が

ピエゾの音と重なり香津美さん流のメセニーサウンド

体現しているかのようでした。

非常にナチュラルなため技量が問われるピックアップだとも

感じました。

これがハマれば凄い気持ちがいい演奏ができるんだろうなぁ。

 

カルロスピックアップを製作・販売しているカルロスは、

大のメセニーファン。彼がピックアップをインストールした後

ほぼ必ずメセニーの"Our Spanish Love Song"を演奏して

サウンドチェックをしています。

 

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ちなみに、カルロスはアシッドジャズやライトフュージョン系の

演奏が得意でフラメンコは全く弾けません。

ただフラメンコギターのポテンシャルが大好きで

それに合ったピックアップを製作しています。

 

2部構成の後半にもアンダルシアンギターを2曲、使用していただけました。

1曲は、香津美さんの新曲、もう1曲は、奥様が作曲された曲。

いずれも今回はバイプレイヤーに徹していた沖さんのフラメンコギターサウンド

エネルギッシュ―なナイロン弦のサウンドが折り重なったようでした。

 

フラメンコサウンドをベースとしていない香津美さんであっても

フラメンコでいうところのこぶし、メリスマが時折、聞こえてくるのは

スペイン産のフラメンコギターであるアンダルシアンギターなのだから

かもしれません。

 

アンダルシアンギターとカルロスピックアップとの組合せは、

非常にモダンでクリアーなナチュラサウンドであることがよく分かりました。

メセニーとの親和性も非常に楽しめました。

(香津美さんのプリウォーのD-28と非常に対象的で勉強になりました。)

 

メセニーサウンドを目指している方には、この組み合わせは特に

自信を持ってお薦めできます。また中規模程度のライブでの使用も非常に相性が

いいと思われました。

まさにライブ使用を目指したアンダルシアンギター、狙い通りの成果で

大満足です!コンデンサーマイクブレンドは、実にいい!

 

 

店長

 

※ちなみに12弦のオベーションは、ラベルのボレロで使用されました。

まさにラリーコリエル!香津美さんとの懐かしのライブも想い出されました。

 

誤解されやすい音楽 新しい表現を求めて

誤解を生みやすい音楽、その筆頭とも言ってくらいフラメンコは

人々から遠ざけられやすいです。

 

フラメンコ=踊り よくわからない民族音楽

 

そのような図式が脳内にインプットされ過ぎていて

フラメンコというワードを聞いただけで、

『ああ、興味ないです・・』

となってしまっている方が大勢いらっしゃいます。

 

フラメンコの中でもフラメンコギターは独自の発展を遂げ

ジャズと融和し、もっと親しみやすい音楽へと変貌していきました。

 

パコ・デ・ルシアビセンテ・アミーゴ、トマティー

純粋な伝統のフラメンコギターを弾くのは当然ですが、

その新しい世界へともどんどんと進んでいき

そこにおいて自身の新しい音楽を構築していきました。

新しい領域には、踊りはほぼ存在しておらず究極のギタープレイを

追い求める形に変貌していったのです。

 

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もはやフラメンコギターというのは決して遠ざけるべき

ジャンルではなく究極の演奏を目指す1つの新ジャンルになっていると

思います。

 

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www.youtube.com

 

エディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなり、ジェフ・ベックも亡くなり

パコ・デ・ルシアももういない。

次々にギターレジェンドが消えていく中、多くの音楽ファンが納得するような

新たなギターヒーローの登場が強く待ち望まれていますが

それは未だに現れていません。

 

フラメンコギターにおいてもビセンテ・アミーゴもかつての

熱狂的なギターヒーロー像からは離れて行ったようにも思われます。

ただ、作品は非常に素晴らしいものが多く、目指すべき1つの形と

言ってもいいくらい非常に洗練されています。

 

ノイズや音数の多い現代の騒々しい音楽群から一時的にでも離れて

ぜひフランコ由来の音楽たちにも目を向けてもらえたらと

心より願います。

それが1つのきっかけとなり、ご自身の新しい音楽世界を構築する

手がかりになるかもしれません。

またガットギターによる究極の世界もフラメンコギターにはあります。

 

 

店長

 

 

ギターに関するちょっとした誤解

当ショップではフラメンコギターにこだわって、

ほぼフラメンコギターばかりを販売しています。

フラメンコという音楽はご存じの通りスペイン発祥ですが、

日本においては踊り人口に較べてギターで演奏する人が

圧倒的に少ないジャンルでもあります。

時代のブームで過去には何度か演奏者人口も増えたようですが、

音楽の多様化によって加速度的に減少しているように思われます。

 

今思い返すと店長がフラメンコギターにはまっていたのは

一時のブームの時期だったのだなぁと振り返ることができます。

 

具体的には、ビセンテ・アミーゴが大きなきっかけでもありました。

ビセンテ・アミーゴというイケメンで超絶上手いギタリストの登場に

少なくともスペインと日本では大いに沸き立ちました。

パコ・デ・ルシア以降、このビセンテ・アミーゴとトマティートが

1つの頂点だったように思われます。

 

この時代(90年代)は、まだジャズギターというのがそれほど小難しくなりすぎる

1つ手前であってロックやヒップホップとの融合をまだまだトライしている状況。

ここにエキゾティックなフラメンコギターもぐいぐいと

入り込んできました。

パコで開花したフュージョンとの融合からフラメンコにはまった、

ジャズ、フュージョン寄りのギタリストの中の一部の人が

ビセンテ・アミーゴの登場によりフラメンコギターへの想いが大爆発!

本格的にフラメンコギターを目指しどっぷりとはまっていきました。

 

店長もこの流れで初めてフラメンコギターを購入することに

なるのでした。

この時の驚きは今でも忘れられず、

とにかく弾きやすい、これまでクラシックギターに触れたことはあったのですが、

弦高の高さからなのかボサノバのようなつま弾く弾き方ならよいのですが、

単音で駆け上がるようなフレーズはちょっとやそっとじゃ弾けないというのが

実際でした。

これがフラメンコギターなら弾けるかも?という期待をもたせてくれたのです。

 

そして、その音色。実に張りがあって美しい。

同じナイロン弦のクラシックギターとは全く違う

スコーン、パキーンと抜けるような音色は

当時のポピュラーな音楽との親和性も非常に高かったのです。

またスペイン系の作曲家のクラシック音楽を弾いても、ピッタリとハマる

なんて万能なのだぁ!と思わせてくれるのがフラメンコギターでした。

 

フラメンコギターを販売しているとお客さんから

『あ~フラメンコ弾けないから』 とか

『フラメンコは弾かないから』 とか

そういうお応えを頂戴いたします。

 

実のところ当ショップとしてはそこの部分はあまり狙っていないのです。

純粋なフラメンコギターでのプレイを目指すのであれば

めっちゃ高いヴィンテージなどを販売している

いいショップがたくさんあると思います。

 

これに対し、もっと新しいサウンドが欲しい!

フラメンコテイストを自分のプレイに生かしたい

などというギタープレイヤーさんに手に取って欲しいのが

当ショップのフラメンコギターなのです。

 

もちろんフラメンコギターであるから

ピュアなフラメンコを演奏するのも申し分ないですし、

それはそれでおススメしたい点でもあります。

歴史あるフラメンコ音楽にはまっていくのも

1つの大きな喜びでもあると思います。

純粋なフラメンコギターもすごくいいですし、

お薦めしたい音楽です。

 

そんな中、ジャズギタリストの渡辺香津美さんに

当ショップのアンダルシアンギターをご購入いただいたのは

とても理想的なことでした。

香津美さんは、当ショップがお金を積んで宣伝してもらっている

のとは全く違い、本当のお客さんなのです。

プロ、アマ問わず分け隔てなく対応しているのが当ショップの

ポリシーでもあります。

 

フラメンコギターは、先進的なナイロン弦ギターとして

非常に完成されている楽器であるので

ぜひ一度手にしていただけたらと日々願っております。

 

 

店長

 

 

音楽の聴き方あれこれ

サブスクがスタートし、一般的になり、また自らも利用し始めてから数年、

いずれの音楽であってもCDで聴くことは、まず無くなりましました。

 

また、サブスクのAI(といっていいのかな?)が提示してくれる好みの音楽が

秀逸で、いずれのサブスクサービスであっても、そうそうこんなの聴きたいんだよ!

と唸らせてくれます。

 

次々と好みの音楽が自動で聴けるなんて夢のような話で、

レコード時代も含め、カセット、MD、CDで

オリジナルのコンピレーションを作成していた時代からすると

なんという時間の効率化。

編集にかける2時間~3時間がまるまる自分のものになるのですから

素晴らしいとしかいいようがありません。

 

さて、このような聴き方のスタイルですと、

よくよく考えると曲単位での聴き方がメインになるんですよね。

まさに巨大なコンピレーション。

好みの傾向や、時代ごとの編集、またはレコードレーベル単位でのコンピレーション

実に楽しいのですが、アルバム1枚で聴くということが全くなくなって

しまいました。

 

今現在の同時代で制作された音楽であるならこのようなことは想定内だと

思われるので、曲単位でストーリーが完結するように作ってあるのかもしれません。

ただ、レコード時代、CD時代の作品ですと、どうなんでしょう・・・

CDが全盛の時代に、一時期ベストアルバムというのが

乱発されたことがあります。

これは洋楽、邦楽問わずです。

 

ファン心理としては、CDクォリティで好みの曲だけが集まった

アルバム、最高じゃん!と当初は思っておりましたが

実際手に取り聴いてみると意外につまらない・・・

よっぽどコンセプチュアルに練った構成でないと

即、飽きてしまうということが分かりました。

 

40分~60分程度のアルバムを通して聴くというのは、

例えばあまり好きではない曲があっても多少我慢して聴く、

そしてそのあとに登場する自分のフェイヴァリットに

歓喜する、そのような楽しいプロセスがありました。

 

また、1つの物語として制作されているアルバムも少なくなく

最初から最後まで連続で聴くことでその壮大な世界観を感じ取れる

といったこともありました。

 

音楽が気楽になった分、聴きやすくなってはいますが、

昔ほどじっくりと聴くことが減ってしまった気もしています。

それは単に年を取ったせいなのか

じっくりと聴く甲斐性がないのか

音楽が提供される環境の変化なのか

今のところ分かりませんが、

イージーになって扱いやすい音楽に慣れてきた反面、

映画館で映画を見るように集中してじっくり聴き入ることで、

アーティストに最も近づける時間を体験したいという欲求が

湧いていることも事実です。

 

ま、簡単にアルバム単位で再生すればよいのですが

あのサブスクのプレイヤーはそういう気にさせてくれない

何かがあります。

 

となると、そういう環境を物理的に制限をかけて提供してくれる

レコードプレイヤーやカセットテープは単なるノスタルジーなだけではなく

そういう需要からくるものなのかも知れませんね。

 

都内をぶらついてみると時々、新しいレコード店に遭遇します。

レコードプレイヤー欲しいなぁとは思うものの

そのスペースを作ることから始めないといけないですね・・

これがなかなか大変!

 

 

店長

 

2023年2月 厳選フラメンコギターのご紹介

なかなかにGoodなフラメンコギターが入荷いたしましたので、

ご紹介させていただきます。

 

当ショップでフラメンコギターを選ぶ際に意識していることは、

鳴りや作りはもちろん正しくスペイン製であることは必須ですが、

どこか可愛らしいルックスであることを条件としています。

 

それは色だったりロゼッタだったりバインディングだったり、

トータルで見て手に取って弾きたくなるようなフラメンコギターを

チョイスしております。

一瞥して、ネックを握りたくなるギター、これが理想です!

 

既にガットギターは持っているよぉ~という方の

もう1本のギターにも最適な超おススメモデルです!

この価格でスペインの工房製です。

いずれも1本1本しっかり丁寧に製作されております。

 

1). ファン・モンテス Flamenco Model 32−M (シープレス)

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いやぁあ〜装飾が美しい。

ロゼッタは、ロゼッタだけに薔薇タイプの花柄が好みですが、これは新しいです。

初めて見ました。バインディングも高級感が漂っています。

レッドカラーもたまらなくカッコいいです。

年末に入荷したサンチェス・ロペスのレッドにかなり近いです。

こちらの方が、少しだけ明るい感じです。

本格派のシープレスモデルという仕上がりでサウンドもしっかりとした

シープレスサウンド。D弦の甘い音が素晴らしいです。

 

 

2). ファン・モンテス Flamenco Model 46−M (ローズウッド)

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このローズウッドは、いい!!とてもいい!低音がドスンと来ます。

良いシープレスモデルの入荷が多かったので

改めてローズウッドのフラメンコギターの良さを発見した感じです。

クラシックギターっぽさは皆無です。そこは流石にスペイン製ですね。

濃い色のローズウッド、すごい高級感ありますねぇ。

ネックも以前のモデルよりも薄くなった感じがします。

非常に弾きやすいです。待っていた方は、買いでしょう、絶対。

黒のフラメンコ、いいですねぇ〜めちゃくちゃ気に入りました。

 

 

3). エルマノス・サンチェス・ロペス ソレア(Solea) CYPRESS(シープレス)

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こちらは、エントリーモデルのフラメンコギターでありながら、

しっかりとした作りとサウンドで初心者の方から中級レベルの方まで

存分に楽しんでいただける1本となっております。

シープレスだけれど、低音強めです。

同価格帯のエルマノスカンプスともだいぶ違うサウンドなので面白いですね!

4代も続いている老舗フラメンコギター工房、サンチェス・ロペス

少数精鋭で製作本数も極めて少ないですので大変貴重です。

ぜひともお試しください。

 

 

店長