Spain Guitar Online Shop 店長ブログ

アンダルシアンギター日本総代理店。スペイン製フラメンコギターをはじめコンテンポラリーなガットギターを豊富に選べるお店です。 Knoblockギター弦、角南ギター、エルマノス・カンプス、ファン・モンテス、サンチェス・ロペス 取扱店。遠方の方にも安心のオンラインでお届けします!お近くの方はご予約にて試奏対応しております。

初めてのフラメンコギター~どこから始めたらいいの?(3)~

今回は、フラメンコギターの選び方にフォーカスして書きたいと思います。



(1)フラメンコギターの構造

クラシックギターよりも胴厚が薄く、さらにトップ、サイド&バック

の板も薄く削られています。したがって非常に軽いです。

また、弦高が非常に低く設定されており、ギターではタブーとされている

特に低音弦においてビリつく程度がちょうどよいです。

一般にノイズとされているものがフラメンコでは音楽なのです。



フラメンコギターは、よくボディーを叩きます。

指で叩くゴルペ、手のひらで叩くタパなど、ほとんど打楽器のようです。

右手でゴルペをすると伸びた爪によってギターのトップがボコボコに

なります。

これを防止するために透明(または白)のプラスチック板を貼り付けて

あります。このプラスチック板をゴルペ板といいます。



丁寧なギターにはブリッジの下にもプラスチック板が貼ってあります。

これは、弦交換の際に弦先があたってギターに傷が付くことを防止して

くれます。



ネックは、クラシックと同じギターもありますが、薄くて弾きやすいように

作られているギターもあります。これは好みだと思います。






(2)フラメンコギターで使用される木材

ボディのトップには、松(スプルース)か、杉(シダー)が使われます。

松は、最初は鳴りにくいですが時間経過とともに鳴ってきます。

育て系のフラメンコギターです。

杉は、最初から鳴ります。出来上がっているフラメンコギターです。


ボディのサイドとバックには、ローズウッド、シプレス、メイプルが

使用されます。



ローズウッドは、低音がよく出るのでソロ向き。

シプレスは、いわゆるフラメンコサウンドのジャキジャキ感

が一番強く伴奏向き。

メイプルは、その中間、両方のいいとこどり。

ただ、シプレスが低音が出ないわけではありません。

シプレスのギターでクラシックの曲を弾く人もいます。

これは、ほんとうに好みになります。

木材については、またいずれ書きたいと思います。


ネックは、杉(シダー)がほとんどです。


指板は、黒檀(エボニー)か、インディアンローズウッドが使用されます。

黒檀の方が音の分離がよく、インディアンローズウッドより指板には

向いています。

黒檀でも色が濃いものほど経年し乾燥しているため極めて

音がよいです。黒檀の方が高価になります。





(3)フラメンコギターの価格

ピンからキリまであります。これはご自身のスタンスに大きく影響します。

一生の一本をチョイスするのか、趣味として気軽に始めたいのか、

プロを目指しているのか、いろいろな環境、背景に応じて選択されると

いいと思います。

傾向として、トップ、サイド、バック、全てが単板のオール単板が高く、

合板(ラミネート)材を使用するほど安くなります。

単板とは、継ぎ目のない一枚板のことで、音の伝達を阻害する要因が

ないため、非常によく鳴ります。

コンサートモデルは、オール単板です。

合板材は、いわゆるベニヤで張り合わせた板です。音の伝達を阻害する

要因があるため、単板に劣ります。

トップだけ単板で、サイドとバックが合板材というのが低~中価格帯に

多く見られます。いわゆるステューデントモデルに多いです。



もちろん、どのレベルの方においてもオール単板をおススメしますが、

値段との兼ね合いになると思います。

徐々にギターをレベルアップさせるというのも一つの手段ですし、

初めからいいものを買うのも全く問題ないです。

それぞれにメリットがあります。



ステューデントモデルとは、学生用というより練習を始めた人といった

意味合いが強く、あまり気にする用語ではないです。

コンサートモデルもプロで、コンサートを開くレベルじゃないと

ダメなのか?というと全くそんなことはなく、

単なる木材、作りによって決まる価格レベルと思ってください。





(4)フラメンコギターの選び方

ブランド品でもそうだと思いますが、高ければ高いほどいいか?

といわれればそうとも言えません。100万で鳴らないギターもあります。

半値の50万でもよく鳴るギターもあります。

当ショップでは、価格に応じたパフォーマンスをしてくれる

フラメンコギターを揃えております。

厳選した工房からのフラメンコギターのみを扱っております。

全てヨーロッパ(スペイン、フランス)で作製された本場の

フラメンコギターのみを扱います。

※クラシックに関しては中南米にもいい工房があります。




したがって、コンデエルマノス、ラミレスのように価格だけが高騰して

いるブランド品ギターは、一切、扱いません。

昔はよいメーカーでした。

したがって、こぞってプロが使用しておりました。

しかしながら、現在では、ネームバリューだけが高くなり、

同じパフォーマンスをするギターでも倍以上もしております。

実際、コンデから当ショップで扱っているフラメンコギターへと

シフトしてきているフラメンコギタリストが大勢います。

現地で実際に話を聞いてきました。





(5)日本製フラメンコギターについて

日本製は、非常に丁寧に作られており、美観も優れており工芸品として

一級品だと思います。

メーカーも、いろんな意味できちんとしていると思います。

クラシックギターを作らせたらとても素晴らしいですが、

フラメンコギターに関しては、スペイン製、フランス製にかないません。

と、僕は個人的に思っております。



単純に文化の違いだと思います。



日本製のフラメンコギターを購入しても、最終的には、

やっぱり本場ものを購入する、買い換えることになると思います。

自分自身と、フラメンコ仲間など、みな同じ経験をしてきています。



また、日本製フラメンコギターは、フラメンコギターの需要が

少ないせいかスペックと価格とが少々一致しないようにも思えます。

人件費の問題なのでしょうか?





(5)フラメンコギター選びについてお悩みの方

とにかく、ご相談ください!

メール、電話どちらでもかまいません。

一番ベストなチョイスを共に考えていきましょう。






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