前回のブログ記事では、アンダルシアンギターが
まず、オーソドックスなフラメンコギターからスタートし、
それをベースにしているというお話をしました。
【アンダルシアンギター公式日本語サイト】
そして、ここからが強烈な個性の塊であるアンダルシアンギターの
真骨頂ともいえるストーリーになります。アンダルシアンギターには、
オーソドックスなフラメンコギターにはない12の特徴があります。
アンダルシアンギター公式日本語サイトに写真入りで
紹介しているので、ぜひご覧ください。
この12の特徴は、その内容によって、以下の【1-1】~【1-4】のカテゴリーに分類することができます。
今回は、まず【1-1】について解説したいと思います。
【1-1】オーソドックスなフラメンコギターの問題点の改善
【1-2】安定性の追求
【1-3】さらなる効果を目指して(付加的要素)
【1-4】究極のデザイン~ボディデザインとネックデザイン~
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【1-1】オーソドックスなフラメンコギターの問題点の改善
ここには、シンプルにオーソドックスなフラメンコギターが抱える2つの問題点を
それぞれ解決したアンダルシアンギターなりの解答を分類してみました。
4) Extra Flat Maple Bridge + Carbon Fiber Right Hand Saddle (Best sound transmitters)
エクストラ・フラットメイプルブリッジ + カーボンファイバーサドル(極上のサウンド伝達システム)
まずは、ブリッジからです。フラメンコギターは、同じナイロン弦のクラシックギターよりも1mm以上、弦高が低く設定されています。これまでのオーソドックスなフラメンコギターでは、サドル部分を非常に低くすることで対応しておりました。
これに対し、アンダルシアンギターでは、硬い材質のメイプルを用いてブリッジを極薄にすることで、2mm近傍での弦高を容易に実現しています。もちろんサドル自体も低くしているため相乗効果が得られています。
このメイプルのブリッジが有する左右に広がった極めて薄いウィングは、まさに芸術品の域に達しており、アンダルシアンギターの大きな特徴となっています。
そして、この極薄メイプルブリッジに設置するサドルはカーボンファイバー製のものをデフォルトで採用しております。これはピックアップでおなじみにカルロス・ファンによって提案されたものであって、フラメンコで求められる張りのある硬質な高音域に影響を与え、ボディへと伝わる振動も素早い立ち上がりのサウンドとなるように好影響を及ぼしています。
9) Scalloped Fretboard (After the 12th fret)
スキャロップ指板 (12 フレット以降;ネックとボディトップの接触部位での割れを低減)
このスキャロップ指板は、初見では非常に分かりにくい部位でもあるのですが、ネックの根元とトップ板との接合部分に長軸方向に切り欠きを入れることで力学的な作用に変化を与え、ネックとトップ板との接合部位におけるトップ板の割れを回避するというアンダルシアンギター特有の手法となっています。
長年の振動により、トップ板がネック接合部位で割れてしまう問題は、一般的にみられる現象で、特に相当の長い年月を経過したギターではこれが散見されております。
このスキャロップ指板は、フラメンコギターに限った技術ではなく、クラシックギターはもちろん、鉄弦のアコースティックギターにも適用できる手法だと思われます。アンダルシアンギターでは、全てのモデルにこの技術を適用しており、トップ板の割れを回避することに成功しております。
※以下、次回のブログに続きます。
店長