サブスクがスタートし、一般的になり、また自らも利用し始めてから数年、
いずれの音楽であってもCDで聴くことは、まず無くなりましました。
また、サブスクのAI(といっていいのかな?)が提示してくれる好みの音楽が
秀逸で、いずれのサブスクサービスであっても、そうそうこんなの聴きたいんだよ!
と唸らせてくれます。
次々と好みの音楽が自動で聴けるなんて夢のような話で、
レコード時代も含め、カセット、MD、CDで
オリジナルのコンピレーションを作成していた時代からすると
なんという時間の効率化。
編集にかける2時間~3時間がまるまる自分のものになるのですから
素晴らしいとしかいいようがありません。
さて、このような聴き方のスタイルですと、
よくよく考えると曲単位での聴き方がメインになるんですよね。
まさに巨大なコンピレーション。
好みの傾向や、時代ごとの編集、またはレコードレーベル単位でのコンピレーション
実に楽しいのですが、アルバム1枚で聴くということが全くなくなって
しまいました。
今現在の同時代で制作された音楽であるならこのようなことは想定内だと
思われるので、曲単位でストーリーが完結するように作ってあるのかもしれません。
ただ、レコード時代、CD時代の作品ですと、どうなんでしょう・・・
CDが全盛の時代に、一時期ベストアルバムというのが
乱発されたことがあります。
これは洋楽、邦楽問わずです。
ファン心理としては、CDクォリティで好みの曲だけが集まった
アルバム、最高じゃん!と当初は思っておりましたが
実際手に取り聴いてみると意外につまらない・・・
よっぽどコンセプチュアルに練った構成でないと
即、飽きてしまうということが分かりました。
40分~60分程度のアルバムを通して聴くというのは、
例えばあまり好きではない曲があっても多少我慢して聴く、
そしてそのあとに登場する自分のフェイヴァリットに
歓喜する、そのような楽しいプロセスがありました。
また、1つの物語として制作されているアルバムも少なくなく
最初から最後まで連続で聴くことでその壮大な世界観を感じ取れる
といったこともありました。
音楽が気楽になった分、聴きやすくなってはいますが、
昔ほどじっくりと聴くことが減ってしまった気もしています。
それは単に年を取ったせいなのか
じっくりと聴く甲斐性がないのか
音楽が提供される環境の変化なのか
今のところ分かりませんが、
イージーになって扱いやすい音楽に慣れてきた反面、
映画館で映画を見るように集中してじっくり聴き入ることで、
アーティストに最も近づける時間を体験したいという欲求が
湧いていることも事実です。
ま、簡単にアルバム単位で再生すればよいのですが
あのサブスクのプレイヤーはそういう気にさせてくれない
何かがあります。
となると、そういう環境を物理的に制限をかけて提供してくれる
レコードプレイヤーやカセットテープは単なるノスタルジーなだけではなく
そういう需要からくるものなのかも知れませんね。
都内をぶらついてみると時々、新しいレコード店に遭遇します。
レコードプレイヤー欲しいなぁとは思うものの
そのスペースを作ることから始めないといけないですね・・
これがなかなか大変!
店長